W Retreat&SpaBali-Seminyak
週刊ホテルレストラン 2011年5月27日号 4-5ページ掲載


スターウッドホテル&リゾートが1998年に「Wニューヨーク」を開業させて以来、その革新的なコンセプトや優れたデザイン性で世界中のトラベラーを魅了してきたWホテル。デザイン主導的ながらクールになりすぎず快適さを演出する空気感、ホテルのあらゆるところにちりばめられた新しいライフスタイル、Wらしさとローカルの個性を融合させるテクニックなどが話題を呼び、13年たったいま、その数は41にもなっている。3月1日、このWホテルが東洋の楽園「バリ島」に開業を果たした。
取材・文 宿屋大学 近藤寛和
伝統文化のモチーフを現代風にアレンジ
このたび、W Retreat&SpaBali-Seminyakが誕生したのは、デンパサール国際空港から車で25分、サーファーのメッカであるクタ地区からほど近い振興エリア「スミニャク」。近年、ヴィラタイプのブティックホテルが次々と建てられている注目エリアである。
Wホテルも、このヴィラタイプかと思いきやさにあらず。7.8haという大きな敷地に、158室あるホテル棟、79のプライベートヴィラ、五つのダイニングレストラン、スパ、バンケットホール、プールなどを有する大きなリゾートであった。
エントランスをくぐると、バリの街の喧騒からは隔絶された静かで落ち着いた空間となる。長いアプローチの先に5階建てのホテル棟、その下に大きな車寄せがあった。ペイズリー柄が描かれた高い天井、巨大な壁には一面に無数の風鈴が揺れている。ロビーを突き抜けると、パームツリーやパラソル、デッキチェアが配された大きなプール、そしてその先にビーチが見渡せる。そんな風景を眺めるラウンジでは、ウエルカムドリンクをすすりながら、遊びなれた風のシンガポールや韓国からのカップルがiPadやブラックベリーをいじっている。
バリの大半のリゾートは、ゲストに自然の中に溶け込んでもらうために、基本的にプラスチックや鉄といった人工的な素材を使わないのだが、ここWホテルは違う。紫のパラソル、黄色いソファ、ピンクのネオンなど、都会的な色を多用し、HIPな雰囲気を演出している。パブリックスペースならどこでも聞こえてくるBGMも、ガムランではなくクラブ系である。
ただし、ローカルの個性を採用していないわけではない。ここでは、「バリの伝統や個性を現代風にアレンジし、いろんなモチーフをディテールの中に生かしている」のだという。
例えば、バリと言えばライステラス(棚田)が有名である。客室のモチーフはこのライステラスである。ベッドカバーには蓮の葉が刺しゅうされ、バスタブの横には親子の蛙のおもちゃが添えられている。「スターフィッシュブルー」というパンアジアン(環アジア)レストランの半個室席は、魚を捕る伝統的な罠を模した形のドームになっている。
いたるところに遊び心を感じさせる仕掛けが隠されているのだ。
ターゲット顧客は「トレンドセッター」
Wホテルは、ターゲット顧客(WではAUDIENCEと呼ぶ)を明確に絞り込んでいる。「TRENDSETTERS(流行を作り出す、最先端にいる人々)」である。
キーワードは四つ。(1)JETSETTER(例えばミュージシャン)、(2)BUSINESSTRAVELER(例えばバイヤー)、(3)Plus1(例えば伝統的なカップルや、新しい形のカップル等)、(4)ローカル(例えばその土地のナイトクラブで知られているような情報通な人々)。
エレベーターに乗っても、レストランのレセプションでも、プールサイドを歩いていても、トイレに入っても、バーでカクテルを頼んでも、ゲストはちょっとした驚きを覚え「Wow(ワォ)!」と叫ぶ。日常を忘れWの世界に魅了され新しいライフスタイルを発見しながらリフレッシュしていく…。そんな休日を過ごすことができるのだ。





所在地=Jl. Petitenget, Seminyak, Kerobokan, Denpasar
電話+62-361-738-106 FAX+62-361-738-104
URL=http://www.starwoodhotels.com/whotels/property/overview/index.html?propertyID=3221
交通アクセス=バリ国際空港から15キロ、車で25分
宿泊施設=ホテル棟158室、プール・ヴィラ計79棟(1ベッドルーム65、2ベッドルーム10、3ベッドルーム4)付帯施設=レストラン&バ ー 5(パンアジアン料理、シャンパ ン・フローズンカクテルバー、アーバンキッチン、ラウンジ、バー)/スパ(直営)/ジム/スイミング・プール/ブティック/ライブラリー/バンケットホール/クリニック/無線LANケーブル

