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  1. 観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

第35回 逆転、ニッポン

※本誌『週刊ホテルレストラン』毎月2・4週に連載中

 先日、講談社から『溝畑流・日本列島観光論逆転こそ、Nippon』という本を出させていただきました。

 この本の中でも書きましたが、正直、今は観光どころの話ではないと考えている人も多いことでしょう。しかし、私はあえて言いたいのです。観光は交流産業、人と人が触れ合う心の産業です。こうした状況の日本だからこそ、今は観光が必要です。観光とは今の日本にとっては、ビタミンやミネラルのような欠かせないものであり、国の復興にも大きく寄与するものであると知っていただきたいと思うのです。

 私は震災後、全国各地を回りながら、「こんなときだからこそ下を向くのではなく、目線を上げて攻めましょう」と訴えてきました。

 観光の力で東北を、そして全国各地を盛り上げて日本を元気にしたいからです。この本の中ではそうした思いと、震災後にわれわれ観光庁がどのような動きをしてきたか、そしてこれからの日本の観光の在り方を書きました。

 タイトルに「逆転こそ、Nippon」と入れたのも、一方ならぬ思いがあります。

 震災の影響だけでなく、世界的な金融不安などもあいまって、今、日本全体が浮くか沈むかというときだと思います。こんなときに観光のトップをやらせていただくことに運命を感じています。

 絶対にあきらめない。どこかに必ず突破口はあります。こんなキャラクターですから、今の私しか知らない方には想像されにくいのですが、私は今まで何度も逆境と遭遇し、本当のどん底も経験しています。それでも今日までやってこられたのはあきらめずに行動を起こしてきたから、ただそれだけです。

 私は「逆転こそ日本」だと思っているのです。これまでの日本の歴史を見てください。何度も逆転し、今日にいたっています。

 必要なのは、われわれ全員がハングリーになること。本気でやることです。国がやってくれるとか、役所がやってくれるとか、そういう受け身ではダメです。自分自身がハングリーに攻めていかなければ。

 オールジャパンの精神です。ここで絶対に飯を食うんだと頑張りましょう。国民一人一人が選手、サポーターとなって観光立国を進めましょう。チーム一丸となれば道は開け、世界の観光大国となり、日本は復活します。これが、今求められている逆転劇です。

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