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  1. 観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

第31回 わが町をアピールする

※本誌『週刊ホテルレストラン』毎月2・4週に連載中

 私はいつも「営業せなあかん!」と多くの観光産業関係者の方々に言いまわっています。徹底的に営業することが大事。

 それから、上手にアピールすることがさらに大事ですね。いろいろな場面で日本人の表現力の弱さを感じます。これでは海外に負けてしまいます。韓国やアメリカはすごいですよ。日本のサービス産業人もこれからはアピール力が必要です。

 それぞれの地域をアピールするのでも、皆さん「私たちの村にはこれだけものがそろっているんですよ!」と、よく言われるのですが、物がそろっていると言っても、皆が似たようなものについてアピールしていては存在感がないですよね。

 温泉や食文化、歴史建造物。たしかにそれもポイントですが、定番について定番通りのアピールをしているだけではだめなのです。

 キーワードは「そこでしかできない体験」だと思います。ほかの場所ではできない、そこでしかできない体験を上手にアピールしましょう。それには地域ならではの物語性が必要ですね。

 地域住民あげて、皆で街づくりをしていくことが大切です。観光は誰もが参加できる産業です。地域の皆をまとめて街づくりをし、観光を盛り上げていく。これは一番難しいところではあるのですが、リーダーが言い続ければかなうはずです。

 私が昔、ワールドカップを大分に引っ張って行ったとき、最初のうちは誰もそんなことを意識して動いてはくれなかった。

 それでも私は一日100人に、とにかく朝から晩までアピールしまくりました。100人にアピールして、全員が共感してくれることなんてないです。1割でも共感してくれたらラッキーですよ。それでも、そこで起きた小さな波がどんどん人をつないでいって、いつしか大きなうねりになるのです。

 誰かがやるだろうなんて、人に期待したってだめなんです。自分自身がやりましょう。何もしないで理屈をこねくり回して、口だけで「連携とっていきましょう」なんていう会議を開くようじゃだめなんです。とにかく人に会って、自分の思いを話して、相手が自分のことを面白いなと思ってくれるようにアピールし続けたら、だんだんとわが町を活性化していくことができるはずです。

※次のアップは、11月4週に「第33回」を予定しております。

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