週刊ホテルレストラン HOTERES WEB

  • TOP
  • ホテル&レストラン
  • 業界コラム
  • ホテルビジネスなんでも相談
  • バイヤーズガイド
  • HITS
  • ホテレス電子版
  1. 観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

第3回 観光政策の主役は民間

※本誌『週刊ホテルレストラン』毎月2・4週に連載中

 7月1日から中国の個人観光ビザの規制が緩和されましたね。私はこれに先駆けて、6月30日から中国の瀋陽・北京へ出張に行ってきました。ビザの規制緩和に伴う打ち合わせとプロモーションが目的です。

 今回の出張では、二人のキーマンにお会いできました。一人は、中国北部の遼寧省(りょうねいしょう)の陳 政高省長。遼寧省にある瀋陽と大連は、今回の個人ビザの緩和によって新たに増えた受付公館。遼寧省全体の人口は4300万人と、潜在的な観光需要が期待できる都市なのです。陳省長とは、今後観光を通して相互の交流を深めていくという約束をすることができました。

 もう一人は、中国の国家ラジオ映画テレビ総局のりゅう ちゅん(文+りっとう 春)副局長。この秋から撮影が始まる中国の映画のロケを、日本で行なってもらえないかというお願いにあがりました。以前、北海道を舞台にした映画が中国国内で大ヒットしましたが、その第二弾となるような映画を誘致できないかと検討しています。りゅう ちゅん(文+りっとう 春)副局長の反応もとてもよく、実現の可能性も高い。なんと、その映画に私が出演するというお誘いもいただいているんです!これが実現したときには、「Japan. Endless Discovery.」のTシャツを着て、ドーンと出ますよ(笑)。

 さて、こうした中国からの個人観光客の受け入れやロケの誘致もそうですが、やはり民間の皆さんの協力なしに観光立国は実現しえないと、今回の出張を通して改めて感じました。中国の報道陣や関係者などからさまざまな質問を受けましたが、そのほとんどは受け入れ体制の問題です。宿泊施設における中国語放送の導入や表記の問題などを指摘され、やれることからやらなあかんと再認識しました。

 しかし、これらの体制作りには、観光庁としてできることと民間の皆さんにイニシアティブをとって進めていただきたいことがあるのです。何でもかんでも国費をつぎ込んでやればいいというものではありません。民間の皆さんに積極的に参加してもらって、元気になってもらって、儲けてもらう。あくまでも私たち官公庁は、その舞台をつくったり、制度設計をしたり、大きな流れをつくるときのきっかけを提供するだけなのです。

 主役は、民間の皆さんです。どうしたら中国からのインバウンドを伸ばせるのか、どうしたらリピートしてくれるのか、それを一緒に考えていきませんか。
(7月4週号より)

※次のアップは、9月4週に「第5回」を予定しております。
 「第4回」は、ホテレス本誌8月13日週号をご覧ください。

ついに公開!ホテレス電子版 年間8,000円で!過去1年分の記事が読める!キーワードの検索もできる!トライアル版は無料!