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  1. 観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

第1回 オールジャパン

※本誌『週刊ホテルレストラン』毎月2・4週に連載中

 ホテレスの読者の皆さん、こんにちは。嵐を呼ぶ男、観光庁長官の溝畑 宏です。
 私は今、日本の観光をもっとパワフルなものにし、日本人がもっと豊かな心を持ち、日本がもっと活性化していくために毎日奮闘しています。そして、その目標の達成をともに目指すホテルやレストラン業界で働く皆さんと想いを共有したく、この連載をスタートしました。

 観光は、21世紀の日本における成長戦略であり、国民1億2800万人が参加できる国家戦略です。“成長戦略”“国家戦略”なんて言うと、難しく聞こえるかもしれませんが、実は難しいことではありません。

 私は街中で海外からの旅行客の方を見つけたときには、「チャオー!」と声をかけたり、ハグをしたり、握手をしたりするのですが、そうすると非常に喜んでくれます。この間も、心斎橋で目の前に中国人の方が歩いていたので、「ニーハオー!謝謝!」と(笑)。せっかく日本に来てくれたんやから、まずはおれが喜ばしたろ、そう思うんです。国民の皆さん一人一人がそう思ってくれたら、日本は間違いなく変わっていきます。

 私の発想は、「革命は一人から始まる」。ほかの人にどうこうせい言う前に自分からやろう、と。だから、観光庁の入り口を通るときには守衛の方に「こんちはー!」とあいさつをする。あとは、掃除のおばちゃんには「いつもありがとう」と声をかける。こうやって、毎日のちょっとしたことに意識を高めていくことが観光立国の第一歩だと思います。身近な人を楽しませられないような人が、海外から来た人を楽しませられるわけはありませんから。

 魅力ある観光地や国づくりというのは、立派な建物を造ることでもなければ、交通の便を良くすることでもない。人がつくっていくんです。日本人は、素晴らしいホスピタリティーを持っています。照れ屋だから表に出さないだけで、みんな持っているはずです。みっともないとか恥ずかしいとか、そんな気持ちは捨てて、ウエルカムという気持ちをもっと伝えればいいんです。これなら、誰でも参加できるでしょう。私がよく“オールジャパン”というのは、こういった意味です。誰もが参加でき、貢献できる。難しい顔をして、「観光とは」なんて考えても何も起きません。自分の身近なところから実行してみませんか。
(6月4週号より)

※次回「第3回 観光政策の主役は民間」のアップは、8月4週を予定しております。
 「第2回 自信、元気、誇り」は、ホテレス本誌7月9日週号をご覧ください。

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