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  1. Leader's Trend

Leader's Trend 業界のリーダーたちが抱える今の課題を共有する

こんな社内現象にご用心!― 組織の不条理を打破せよ―

2010.06.11

問題を抱える組織は、知らず知らずのうちにその問題が社内現象として表面化してくる。その「危険信号」にいち早く気付き、正しく対処できるかどうかが組織の成長を左右する。
会社を変えたい、仲間を変えたい、何より自分を変えたい…そんなモヤモヤを抱えて悩むミドルマネジャーに組織変革のヒントを紹介する。※毎月2週号に掲載

第2回(2) PDPD症候群

はじめに

3月からこの連載を開始したところ、「うちにもある」、「上司に聞かせたい」など、早速多くの反響があった。ここでは、日本の組織にありがちな「しがらみ」や「不条理」が、組織の成長を阻む根本という視点で、企業でインタビューした事例を「不条理現象」として紹介する。そして、いかに不条理を解決するかを「変革の視点」として提示し、悩めるミドルマネジャーへの応援としたい。

不条理現象その4 PDPD症候群

 PDCA(Plan-Do-Check- Action)は、マネジメントサイクルとして有効な手段だが、品質向上や効率化の本来の手段ではなく、それが目的化され、成果につながっていない企業が多い。

例えば、以下のような事例だ。

  • ・PDCAの指標作りだけで満足
  • ・PDCA資料作成が膨大で、社内が疲弊
  • ・計画と実行はするが、検証と改善はない
  • ・何年か前に失敗した改善運動や全社プロジェクトが再び起こる

 こうした事例がみられたら、「PDPD症候群(Plan- Do -Plan- Do)」、検証と改善が伴わない計画と実行の繰り返し現象だ。
原因は以下が考えられる。

(1)短期志向
PDCAサイクルに、中長期視点がゼロ。「今月はこれができなかったので、来月はこれ」という具合に場当たり的。また上司の在任中のみの計画も多発。
(2)安全志向
未達成のマイナス評価を恐れて、「確実に達成できる」ことしか計画に挙げなくなる。
(3)検証・改善不在
毎回、計画と実行あるのみ。問題点と改善点を明確にせず、過去のことはオールリセット。
(4)波風を立てない、余計な摩擦を嫌う

役員やエースが深くかかわっている計画に問題が見つかると、「恥をかかすことはできない」と情緒が支配し、論理的思考が消滅。特に強い人間関係で結びついている組織では、その傾向が増す。

あるべきPDCAと悪しきPDPD

変革の視点4 一度止める勇気

「埋没費用の過大視」という考え方が行動経済学にある。埋没費用とは、事業から撤退する際に回収できない費用で、これまでの苦労やこだわりが大きいほど埋没費用を過大視し、途中で止めることができなくなる。

しかし「何かおかしい」と思ったら、一度止めてみることだ。一度始めたこと計画を律儀に守ることはない。大事なのは、やり続ける勇気でなく、一度止めて検証する勇気だ。

検証で問題となるのは、個人でなく仕事の仕組みや進め方だ。検証と改善から、失敗を貴重な財産として次につなげることの方が、より大切なはずだ。

プロフィール

松田智生

松田智生
1989年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。専門分野は、組織行動、企業コミュニケーション、新規事業、新産業政策。民間企業には新規事業立案の支援を、官公庁には新産業創造の政策立案支援を行なっている。また最近はミドルマネジャーを対象に、組織活性化、モチベーション向上の講演・研修にも注力している。

講演のお知らせ『脱!無縁職場~ひとりランチ社員が増えていませんか?~』

本連載で紹介する組織の不条理現象と変革の視点をテーマに勉強会や講演や研修を行ないます。
お問い合わせは:tmatsu@mri.co.jp まで

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